二度と作られることのない仮面ライダーシリーズの最高傑作 仮面ライダークウガ 完全解説 ~テーマは新たな伝説~ 【第一回】

 

平成仮面ライダー第一作目 テーマは「新たな伝説」

 

今回から、平成仮面ライダーの第一作目である「仮面ライダークウガ」の完全解説をしていく。

 

その第一回は、「仮面ライダークウガ」という作品がいかにして作られたのか、その誕生の経緯について触れていこうと思う。

 

 

見出しにあるとおり、この「仮面ライダークウガ」という作品は「新たな伝説」というテーマをなぞらえて作られた意欲作である。

 

 

 

 

クウガ本編では記念すべき第一話「復活」の監督指揮を執った石田秀範は、のちのインタビューにて、仮面ライダークウガの異質さを追憶している。

「1、2話を撮ることは、わりとギリギリで決まったもので、ハイビジョンにしても何が良くて何が悪いのか分からないまま入ったって感じでした。とにかくよく映るんで、ちゃんと作りこまないといけないな、という意識は強くありましたね」

(仮面ライダークウガ超全集〈最終巻〉テレビくん編集部より抜粋)

 

と、今作の制作スタイルが特異なものであり、全く新たなヒーローを作り出そうとしていたのがコメントからもうかがえる。

 

今までフィルム撮影で放送されていた仮面ライダーシリーズが、今作からハイビジョン撮影になることで、その撮影スタイルも変化するというわけだ。

 

 

 

実を言うと、初放送の1971年から続いていた仮面ライダーのテレビシリーズは、1989年の放送終了から途絶えていた。

 

その理由の一因としてあるのが、「ヒーローブーム」の低迷。視聴率低下から、10年の沈黙を破って、仮面ライダーシリーズの再出発。

 

その一作目が、仮面ライダークウガである。(この低迷に光明を与えたのがロボコンなのだが、ここでは割愛する)

 

仮面ライダークウガオープニング主題歌「仮面ライダークウガ!」(歌:田中昌之)では、歌詞の中に沈黙を切り込んでいくクウガに対する情熱が多く乗せられている。

 

「からっぽの星 時代をゼロから始めよう 伝説は 塗り替えるもの 今 アクセルを解き放て」

 

イントロから、この勢いである。

 

仮面ライダーの主題歌といえば、敵組織や仮面ライダー自身の葛藤に触れる歌詞が多く散見されるが、ここまで"作品"を意識した歌詞は目を引くものがある。

 

そして、クウガのオープニング映像のラストカットでは、青空を背景に仮面ライダークウガのロゴが現れ、そのロゴの周囲を「A New Hero. A New Legend.」(新たな英雄、新たな伝説)の英列が挟み込む、という制作側が新しいものを生み出し、世に放つという意気込みを感じさせる。

 

 

ヒーローブームの低迷から、逆転の一手を打つこととなる「仮面ライダークウガ」。

 

 

次回、第二回ではいよいよ、第一話「復活」について解説していこうと思う。

 

 

 

仮面ライダークウガの解説本

[http://仮面ライダークウガ 超全集:title]

 

 

平成仮面ライダーDVDコレクション

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小説版仮面ライダークウガ

[http://小説 仮面ライダークウガ (講談社キャラクター文庫) :title]